育英会の奨学金、一括返済するといいらしい???

来る2007.10.27(まだまだだが)、私にも第一回目の振替日がやってくる奨学金

旧「日本育英会」現「独立行政法人 日本学生支援機構」の奨学金の賃与を受けている・いた方、けっこう多いと思います。
その種類は第一種奨学金(無利息)と、第二種奨学金・きぼう21プラン(利息付き)の奨学金制度が有ります。この返済方法に注意すれば返済額を少なくする事が可能です。

報奨金(第一種奨学金

最終年賦額の返還期日の4年前までに、返還残金の全部(延滞金のある場合は延滞金を含む全額)を一括返済した場合、最後の払込金のうちで繰り上げ返還となる金額の10%に相当する金額が報奨金として支給される。

例:年賦額10万円で、残り返還年数5年分の50万円を定期返済月に一括返還した場合、残金は40万円計算となり報奨金は4万円となる。

利息免除:奨学金の繰上げ返還(第二種奨学金

繰上返還の場合は、その繰上回数分に関しては期間短縮となり、第二種奨学金・きぼう21プランの場合は、その繰上にあたる期間に関しては利息はかからない。

というのが、普通の説明としてありますし、聞いたことのある方も多いと思います。
ほぼ引用:http://www.aucbuilder.com/toku/syougaku/syougaku.html

ただまず注意が必要なのは、金額の10%も戻ってきたのは昔の話で、'00年以降の奨学生は5%*1
になっていますし、'05年以降は制度廃止となっています。
資料:http://nikkeimoney.jp/column/money/old/c0521.html



前書きはこのぐらいにして、本題に行こうと思います。(数が得意人向け)
最近お金に余裕が出てきた私。ふと思ったこととして、奨学金の繰り上げ(一括)返還が出てきたわけなのですが、それと同時に疑問が出てきました。それは、
「返還しないで投資とかした方がいいんじゃね?」
ってこと。
私は'03の第一種奨学生なので5%の報奨金がもらえます。
ただ、昔超低金利だったわが国も、今は超長期国債金利が2%*2を超えるようになってきました。
ということは、国債で運用した方が長い目で見れば得なのではないかってことに気づくわけです。
っつうことで、試験前なのにちょっとした計算をしてみた。

ちなみに、2種の方は複雑な計算は必要なく、返済金利(HP参考)と国債金利(投資回収率)を比較して、あとは自分の手持ち資金を残しておきたいか借金減らしたいかを考えるだけです。

(でも、これだって難しいんですが。リスクを考えて、最適手持ち資金を求めなきゃならんし)

・テーマ
以下の2つの家計課題を比較する
1.一括返還を行い、後の分割返還に必要だったお金を運用(積立)
2.一括返還せず返還用資金を元本に運用(定期)、その後分割返還

・モデル
金額:300万
返還期間:15年(180ヵ月)
金利:2%(簡単にするため、積立金利も定期金利も同じ)
複利:1ヶ月
税:20%(積立金利も定期金利とも利息付加時課税。報奨金にはないものとする(不明)。)

・計算
計算時にこちらのサイトを利用
http://www.hi-ho.ne.jp/yasushi-hirano/FP/chotiku.htm

1.年金終価係数を利用
報奨金:300万×5%=15万
積立:338万8075円
合計:353万8075円

2.終価係数を利用
定期(合計):381万3137円

つまりこのモデルでは、返還しないで運用した方が30万弱得をするってことがわかった。

実際いろんなモデルケースがあると思うけど、今回のモデルでかなりの差が出ているので、おそらくほとんどのケースに当てはまると思う。

っつうことで、奨学生の皆さん、これを気に自分で貯金・投資をしてみたらいかがでしょうか?

独立行政法人日本学生支援機構
http://www.jasso.go.jp/index.html

*1:年数は採用された年・返還開始日の翌日から7年以内の場合。7年以降は3%

*2:参考:http://www.bloomberg.co.jp/markets/rates.html